たとえば、写真一枚から始まる恋がある。
『波うららかに、めおと日和』は、昭和11年の日本を舞台にした、新婚夫婦のゆっくりとした時間を描いた純愛ドラマです。あらすじだけをなぞれば、“縁談から始まる結婚生活”という古風な物語に思えるかもしれません。でもその一歩一歩に、息を呑むほど繊細な感情が宿っている。
写真でしか知らなかった夫との生活。言葉少なで不器用なふたりが、少しずつ「夫婦」になっていく過程には、恋の甘さだけでなく、不安や焦燥、そして時折訪れる“ぬくもり”が潜んでいます。
この記事では、『波うららかに、めおと日和』の物語が持つ優しさと、なぜこのドラマが「切なくて愛おしい」と評されるのかを紐解いていきます。
話数が気になる方のために、全何話で構成されているか、そしてキャストや原作との違いまで、丁寧にご紹介していきます。
『波うららかに、めおと日和』とは?時代と共鳴する夫婦の物語
『波うららかに、めおと日和』は、昭和11年の日本を舞台に描かれる新婚夫婦の物語。原作は西香はちによる同名漫画で、2025年春、フジテレビの「木曜劇場」枠でドラマ化されました。
物語は、20歳の関谷なつ美が父のすすめで帝国海軍中尉・江端瀧昌との縁談を受け入れることから始まります。結婚式当日、夫は不在。写真だけが彼女の隣にありました。
写真を通してしか知らなかった夫との生活。初対面は結婚後。まるで現代の感覚とは真逆にある設定なのに、そこに生まれる感情は、どこか今を生きる私たちにも響くものがあります。
このドラマの魅力は、“はじまりから愛していたわけではない”ふたりが、丁寧に絆を育てていく過程にあります。不器用な言葉。すれ違う想い。そして、ふとした瞬間の優しさ。昭和という時代の静けさが、そうした感情の揺れをより際立たせています。
恋に落ちるというより、“一緒に生きていく”ことがじんわりと染みてくる。そんな物語です。
ドラマ『波うららかに、めおと日和』基本情報まとめ
『波うららかに、めおと日和』は、2025年4月24日より、フジテレビ系「木曜劇場」枠で放送が開始された連続ドラマです。
本作は、昭和11年の日本を舞台に、交際ゼロ日で結婚した新婚夫婦の初々しくもじれったい日常を描いたハートフルなラブコメディ。全10話構成で、毎週木曜22時から放送されています。
原作は、西香はちによる同名漫画で、講談社の漫画アプリ「コミックDAYS」にて連載中です。
主題歌は、BE:FIRSTの書き下ろしラブソング「夢中」が起用され、ドラマの世界観を彩っています。
全何話?ドラマの話数と放送日程
『波うららかに、めおと日和』は、全10話で構成されています。初回は15分拡大で放送され、以降は毎週木曜22時から22時54分までの放送です。
放送スケジュールは以下の通りです。
- 第1話:4月24日放送
- 第2話:5月1日放送
- 第3話:5月8日放送
- 第4話:5月15日放送
- 第5話:5月22日放送
- 第6話:5月29日放送予定
- 第7話:6月5日放送予定
- 第8話:6月12日放送予定
- 第9話:6月19日放送予定
- 第10話(最終回):6月26日放送予定
主演キャスト紹介|芳根京子×本田響矢が紡ぐ昭和の純愛
本作の主人公・関谷なつ美を演じるのは、芳根京子さん。
なつ美は、突然の縁談で帝国海軍中尉・江端瀧昌と結婚することになった20歳の女性。恋愛経験がなく、初めての結婚生活に戸惑いながらも、少しずつ夫婦としての絆を深めていく姿を繊細に演じています。
夫・江端瀧昌を演じるのは、本田響矢さん。無口で不器用ながらも、なつ美への想いを少しずつ表現していく姿が印象的。軍人としての厳しさと、夫としての優しさを併せ持つキャラクターを見事に演じきっています。
さらに、山本舞香さんがなつ美の友人・芳森芙美子役、小関裕太さんが瀧昌の同僚・深見龍之介役を務めるなど、豪華キャストが名を連ねています。
また、和久井映見さん、生瀬勝久さんらベテラン俳優も脇を固め、物語に奥行きを与えています。
昭和の時代背景を丁寧に再現した美術や衣装、セットの細部にも注目。レトロな空気のなかで紡がれる“夫婦のはじまり”は、現代を生きる私たちの胸にも静かに届きます。
『波うららかに、めおと日和』あらすじ解説
この物語には、ドラマチックな出来事よりも、“誰かと共に生きていく”ことの現実が、そっと滲んでいます。大きな事件が起きるわけではない。ただ、不器用でまっすぐなふたりが、少しずつ距離を縮めていくその日常が、観る者の胸をやさしく叩いてくるのです。
第1話〜第4話:写真から始まる夫婦生活
第1話、なつ美は写真でしか知らない夫と結婚することになります。時代は昭和11年。縁談により嫁ぐことになった彼女が出会ったのは、軍服に身を包んだ、無口で感情の読めない男・瀧昌。結婚式当日も不在という状況に、不安を隠せないなつ美でしたが、ふたりは“すでに夫婦”。
第2話から第3話では、新婚旅行や些細な会話を通して、夫婦らしさが芽生えていく様子が描かれます。初めての接吻、戸惑いながらも手を取り合おうとする姿は、まるで“初恋”のような甘酸っぱさを感じさせます。
そして第4話では、瀧昌の過去に触れようとするなつ美の決意が印象的です。知らないからこそ、知りたくなる。その行動は、恋ではなく「共に生きる覚悟」へと変わりつつある彼女の成長を示しています。
第5話以降:距離が近づくたびに生まれる、優しさと戸惑い
第5話では、なつ美が風邪をひき寝込むなか、瀧昌が突然帰宅。泥酔した夫を前に、彼女は戸惑いながらも、怒りと不安を爆発させてしまいます。感情をぶつけ合うことで初めて見えてくる“弱さ”と“優しさ”。それは、ふたりの関係にとって大きな転機となります。
以降、物語はふたりの心の温度が近づく様子を丁寧に描いていきます。愛していると言葉にする代わりに、温かいお茶を差し出す。そんな小さな所作に、確かに愛が宿っているのです。
距離が近づけば、喜びだけでなく不安も生まれる。けれど、ふたりはその感情から逃げずに、“夫婦であること”と向き合っていきます。
第4話ご視聴ありがとうございました✨
ぜひ『 #めおと日和 』をつけて感想を教えてください💬🌸第5話予告🌸
5月22日(木)よる10時放送!「お願い、無事に帰ってきて」
瀧昌の身を案ずるなつ美
無事に帰った瀧昌だが─芙美子と深見も思わぬ展開に!?
そして、なつ美と瀧昌のその服装は…… pic.twitter.com/t7aWapfgB6
— 『波うららかに、めおと日和』4月期木10ドラマ【公式】 (@meotobiyori) May 15, 2025
なぜ“切なくて愛おしい”のか?作品が持つ3つの魅力
『波うららかに、めおと日和』を見終えたとき、胸の奥に残るのは、派手な感動ではなく、静かな愛しさです。
なぜこの物語は、こんなにも心に沁みるのか?その理由を、3つの視点からひも解いてみましょう。
①昭和という時代が醸す“間”と“余白”
舞台は昭和11年。携帯もメールもない時代。
会いたくても、すぐに連絡が取れない。聞きたいことがあっても、相手の顔を見なければ話せない。
だからこそ生まれる“間”と“沈黙”が、この物語を豊かにしています。
現代なら「好き」と言えば済むところを、昭和のふたりは、言葉にする代わりに沈黙を共有し、空間に心を浮かべる。
この“何も起こらない”時間が、実はいちばんドラマティックなのです。
②手紙や言葉に宿る本当の想い
瀧昌がなつ美に送るのは、わずかな電報や手紙。
限られた文字数の中に、「あなたを想っている」という心の声がこっそり忍ばされています。
例えば、たったひとことの「アサッテ カヘル」。
それだけで、なつ美の一日がどれだけ色づくか。言葉にならない感情を、言葉で伝えようとするもどかしさが、この物語の醍醐味です。
そして、なつ美が綴る返事にもまた、彼女の不安や喜びが滲んでいます。文字を重ねることが、ふたりの距離を少しずつ縮めていく。
③不器用なふたりが育む“夫婦になる過程”
この物語の核心は、“恋人ではなく、夫婦になる”過程にあります。
もともと愛し合っていたわけではないふたりが、日々の小さな積み重ねで、心を寄せていく。
瀧昌の差し出す湯飲み、なつ美の微笑み、何気ない朝の「いってらっしゃい」。
それはまるで、ひと針ずつ縫い合わせるように愛を紡いでいく時間です。
この“ふたりで過ごすうちに、好きになっていく”という静かな奇跡こそが、視聴者の心を深く揺らすのです。
原作とドラマの違いは?ファンなら気になるポイント
『波うららかに、めおと日和』は、西香はち氏による同名漫画が原作です。講談社の「コミックDAYS」にて2022年10月から連載中で、現在も完結していません。原作は30代~50代女性から圧倒的支持を集める人気漫画で、今回のドラマ化は多くのファンにとって待望の実写化となりました。
ドラマ版は、原作に忠実でありながらも、映像作品としての魅力を引き出すために、いくつかのオリジナル要素や演出が加えられています。以下に、原作とドラマの主な違いをまとめました。
①ドラマオリジナルキャラクターの登場
ドラマ版では、原作には登場しないオリジナルキャラクターが加えられています。例えば、なつ美が参加する「花筏の会」のメンバーや、瀧昌の同僚など、物語に深みを与えるキャラクターたちが登場し、主人公たちの心情や背景をより豊かに描いています。
②映像と音楽による感情表現の強化
漫画では描ききれない微細な感情の動きや空気感を、ドラマでは映像と音楽で表現しています。特に、瀧昌となつ美が交わす視線や沈黙の間、背景に流れる音楽が、二人の関係性の変化や心の揺れを繊細に伝えています。
③エピソードの順序や構成の変更
ドラマ版では、原作のエピソードを再構成し、物語のテンポや視聴者の感情の流れを考慮した構成になっています。これにより、視聴者がより感情移入しやすくなり、物語の世界に引き込まれる工夫が施されています。
これらの違いにより、原作ファンも新たな視点で物語を楽しむことができ、ドラマから入った視聴者も原作に興味を持つきっかけとなっています。原作とドラマ、それぞれの魅力を味わいながら、昭和の新婚純愛物語を堪能してみてはいかがでしょうか。
SNSでも共感の声続出!視聴者のリアルな感想を紹介
『波うららかに、めおと日和』は、放送開始直後からSNS上で多くの共感と感動の声が寄せられています。視聴者たちは、昭和初期の新婚夫婦の初々しいやり取りや、心温まるストーリーに魅了されているようです。
以下に、視聴者のリアルな感想をいくつかご紹介します。
「#波うららかにめおと日和 第1話。うおおおおおお!!!久しぶりに無心でキュンキュンできる恋愛ドラマが来たぞ!!!!」
「悪人がいない!事件は起きない!特に深刻に傷ついたり傷つけられたりしない!!ピュアなふたりのじれったい関係性をニマニマ愛でられる癒し系ハートフル日常夫婦ドラマ爆誕です。」
— 横川良明 (@fudge_2002) April 24, 2025
「ドラマほぼ見ない私だけど、ふたりが不器用で可愛くてキュンとして夢中で見ちゃいました。おもしろかった🥰」
— じゅあ_besty🐲🧢🐧👑💛🌹🏢 (@JuwaBesty) April 24, 2025
「#波うららかにめおと日和 ピュア中のピュア!✨✨軍服好きだから軍服に惹かれて見たけどめっっちゃ面白い!イイ!!😍」
— crem🐽 (@yukkonorm) April 24, 2025
「可愛らしいお話✨🤭🤭ってなりながら見てたよ🤭次回も楽しみ💕主題歌もピッタリで良き•*¨*•.¸¸♡」
— 🧢mei🐨🐧🎁 (@bitter_mei) April 24, 2025
「芳根ちゃん好きだから見てみたけどかわいい夫婦すぎてニヤニヤとまらんかった🤭」
— しろきつね (@shirogitsune215) April 24, 2025
これらの感想からもわかるように、多くの視聴者が『波うららかに、めおと日和』の世界観に引き込まれ、登場人物たちの純粋な愛情や日常のやり取りに心を動かされています。ドラマの魅力は、視聴者一人ひとりの心に寄り添うような温かさにあるのかもしれません。
『波うららかに、めおと日和』はこんな人におすすめ
『波うららかに、めおと日和』は、すべての人の“心の奥にある寂しさ”にやさしく触れてくるドラマです。
キラキラとした恋愛劇でも、派手な展開があるわけでもありません。それでも、静かに、けれど確かに心を震わせる物語には、“大人のためのラブストーリー”としての風格があります。
- 喧騒の日々から少し離れて、心を落ち着けたい人
- 恋に不器用だった過去を思い出すような、優しい物語に触れたい人
- 言葉よりも行動で愛を伝える関係に、憧れがある人
- 昭和の時代背景や、レトロな雰囲気が好きな人
- “好きになること”の静かな奇跡をもう一度味わいたい人
恋愛は、時ににぎやかで、時に苦しくて、でも本当に愛おしい。
この作品は、そんな“人を好きになることの尊さ”を、静かな光で描いてくれます。
あなたの心が少し疲れていたら。誰かの温もりを思い出したいときには、きっとそっと寄り添ってくれる――そんな作品です。
この記事のまとめ
- 『波うららかに、めおと日和』は昭和11年を舞台にした純愛夫婦ドラマ
- 全10話構成で2025年4月よりフジテレビ系「木曜劇場」で放送中
- 原作は西香はちの漫画、現在も連載継続中
- 写真から始まる夫婦生活が、徐々に本当の愛へと変わっていく
- SNSでも「癒される」「不器用さが愛おしい」と共感の声多数
- 恋や結婚に不器用だった人、昭和の雰囲気が好きな人におすすめ
──派手じゃない。でも、確かに「恋だった」と言える。
『波うららかに、めおと日和』は、そう思わせてくれる物語です。
見終わった後、ふと自分の暮らしにも、小さな優しさがあったことを思い出すかもしれません。
“恋は言葉じゃなく、手を差し出すことから始まる”。このドラマが、そう教えてくれた気がしています。
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